IN MY HOUSE

山崎まさよしの通算8作目にあたるスタジオアルバム『IN MY HOUSE』は、2009年5月13日にリリースされました。

前作『ADDRESS』から約3年ぶりとなるオリジナルアルバムであり、その間に発表された2枚のカヴァーアルバム『COVER ALL YO!』と『COVER ALL HO!』を挟む形で世に送り出されました。本作のタイトル「IN MY HOUSE」は、その名の通り、山崎自身が自宅に持つプライベートスタジオ「ジンジャミエール」で楽曲制作やレコーディングの大部分が行われたことに由来すると言われています。

アルバムには、この3年間にリリースされたシングル曲が全て収められています。また、それまで音楽配信限定で発表されていた楽曲「深海魚」（NHK土曜ドラマ『監査法人』主題歌）が、このアルバムで初めてCDという物理メディアに収録されました。全13曲の収録曲のうち、約半数にあたる6曲がアルバムリリース時点ですでに発表されていた既発曲です。

収録曲には、テレビドラマの主題歌やCMソングなど、数多くのタイアップ曲が含まれており、その時期の山崎まさよしの活動を網羅する内容となっています。歌詞の世界観について、山崎本人はインタビューで、大袈裟な言い方をすれば現代社会、特に資本主義社会に対するメッセージを込めたものだと語っています。

パッケージは、CDのみの通常盤と、シングル曲のミュージックビデオやライブ映像を収録したDVDが付属する初回限定盤の2種類が用意されました。両盤ではジャケット写真のデザインが異なっており、ファンにとっては選択の楽しみがありました。初回限定盤の特典DVDに収録されたミュージックビデオは、いずれも本作が初の商品化となった映像です。さらに、初回限定盤のCDは、高音質再生を謳うSHM-CD（スーパー・ハイ・マテリアルCD）仕様が採用され、特別なプレーヤーなしでより高品位なサウンドを楽しめるという触れ込みでした。

アルバムリリースに先行して、タイトルに連動したライブツアー「Walkin' in my shoes」が、同年3月5日のよこすか芸術劇場公演を皮切りに開催されました。発売当時の初回プレス分には、パッケージ内にツアーの日程が記載されたフライヤーが封入されていました。初回限定盤のDVDには、ツアーの中から2009年3月23日に行われた大宮ソニックシティ公演でのライブパフォーマンス映像として、「ド ミ ノ」「窮鼠猫を噛め」「五月の雨」の3曲が収録されています。

本作は、山崎まさよしにとって記念碑的な作品となりました。オリコンのデイリーアルバムランキングで、デビューから14年目にして自身初となる1位を獲得したのです。

アルバムの全収録曲は、山崎将義自身が作詞・作曲・編曲を手掛けています。レコーディングには、山崎まさよし（ボーカル、様々な楽器、プログラミング）に加え、中村キタロー（ベース等）、江川ゲンタ（ドラムス等）といった長年のサポートメンバー、そして村田陽一（トロンボーン）、菅坂雅彦（トランペット）、山本拓夫（サックス）、中西康晴（キーボード）といった名うてのミュージシャンたちが参加しており、豊かなサウンドを作り上げています。

『IN MY HOUSE』は、山崎まさよしの多様な音楽性と、当時の活動の集大成とも言える作品であり、キャリアにおける重要なマイルストーンとなったアルバムです。

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